原告は，神奈川県横浜市〈以下省略〉所在の有限会社中島建設（以下「中島建設」という。）の代表取締役として，平成１４年度は年額９６０万円の収入を得ていた。中島建設は，住宅の総合建築請負及び土木工事請負を目的とする会社であるが，原告がその資本金を１００パーセント出資した１人会社であり，原告のほかには，取締役となっている原告の妻がいるのみで他に従業員はおらず，原告がその業務の全般を行っていたから，実質的には個人事業主と同じである。したがって，上記役員報酬の全額が原告の労務の対価である。

　ただし，原判決5頁15行目の「別表第2」を「2条別表第2の後遺障害等級表（以下，単に『後遺障害等級』という。）」に改める。

　これらの事実は，直ちに本件事故の発生自体を否定するものではないが，原告に過去多数回の事故歴があり，その中には，あえて交通事故を発生させ，賠償金を請求したとも考えられる態様の事故が含まれていること，本件と共通する治療経過や休業損害の主張があることは指摘できる。

　（ウ）　原告の保険金請求に適用される賠償責任保険普通保険約款1条及び本件保険契約の特約条項1条においては、「法律上の賠償責任を負担することによって被る損害」についててん補することとなっている。