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【2025/03/10 23:41 】 |
残業代請求
このブログでは、時間外勤務手当について触れている裁判例を紹介しています(つづき)。

2(一)被告の現在の給与規定は平成12年3月分から変更されたものであり,本件当時(平成7年から平成9年まで)は現在とは異なる給与規定が適用されていた。
 被告の賃金体系は,被告が適用していると主張する給与規定(〈証拠略〉)には,基準内給与として基本本給,勤続本給,乗務手当及び業務手当,基準外給与として家族手当,調整手当,通勤手当,時間外手当(残業代),休日労働手当及び深夜労働(残業)手当からなっている。被告は,その他,右給与規定(〈証拠略〉)には規定されていないが,加算手当を支給していた(原告が主張する給与規定である〈証拠略〉には基準外手当として記載されている。また,〈証拠略〉には調整手当は規定されておらず,原告らの給与支給明細書にも調整手当の項目はない。)。
(二)このうち,時間外手当(残業代)について,給与規定(〈証拠略〉)19条には,計算基礎額として(本給+基準内手当+調整手当)÷(年間所定労働時間÷12)と規定され,16条には,時間外手当(残業代)は,1日の所定労働時間を超えた場合に支給し,その額は勤務1時間につき19条の計算基礎額に1.25を乗じた額とする旨規定されているが,被告は,実際には右規定と異なる運用をしていた。
 被告は,年間所定労働時間を2298時間とし,それを12か月で割った191.33時間を1か月当たりの所定労働時間とし,これを超えた場合に割増賃金(残業代)を支給しており,その取扱いは労基法上週44時間と変更された平成9年4月以降も同様であった。また,計算基礎額についても,本給に当たる基本本給及び勤続本給,乗務手当は含めていたが,業務手当,調整手当及び加算手当は算定基礎に含めていなかった。
(三)被告が右のような取扱いをしていたのは,次のような理由からであった。
 すなわち,業務手当は,当初石油タンクローリー車とコークス用ダンプ車の乗務が運転手にとって難しいことを考慮して,乗務日数に応じて支給していたのが,実際に運転手全員が恒常的に右の乗務を行っていることから,便宜的に1か月に24日稼働するものとして,1か月当たり一律1万2000円を支給することにしたもので,被告は,便宜的,恩恵的なものと考えていたことから時間外手当(残業代)の計算基礎から除外していた。
 また,加算手当は,その内容が深夜・早朝の時間外割増賃金(残業代)見合い分としてのものと,それ以外の回転数,配送件数,長距離運転などに応じてポイント制で付加されるものからなっており,残業手当(残業代)の一部及び臨時的に発生するものとの趣旨である上,給与規定(〈証拠略〉)2条の給与の体系及び種類に規定されていないとして,被告は時間外手当(残業代)の計算基礎から除外していた。
3 東部労組エスエイロジテム支部は,業務手当及び加算手当は労基法37条4項に規定する割増賃金(残業代)の基礎となる賃金から除外されるものには該当しないとして,被告に対しこれらを時間外手当(残業代)の計算基礎に含めない被告の取扱いを是正するよう求め,被告と団体交渉を行っていた。なお,東部労組エスエイロジテム支部としては,業務手当は通常の会社業務によって支払われる手当であり,割増賃金(残業代)の基礎となる賃金から除外されるものを規定した労基法施行規則21条4号の「臨時の賃金」には該当せず,加算手当は業務上のポイント制による手当と深夜労働(残業)手当が合算されていたもので,元来両者は分離すべきものであるが,ポイント制による手当については労基法施行規則21条に規定する除外される賃金のいずれにも該当しないから,ポイント制による手当を含む加算手当も時間外割増賃金(残業代)の計算基礎とすべきであるとの考えであった。
 ところが,被告と東部労組エスエイロジテム支部が時間外割増賃金(残業代)の計算基礎について団体交渉を継続して行く中で,東部労組エスエイロジテム支部が未払であると主張する時間外割増賃金(残業代)の一部について労基法115条に規定する2年の消滅時効にかかる事態が生じた。そこで,この問題について,東部労組エスエイロジテム支部と被告は協議し,平成10年7月2日,東京都王子労政事務所の労働相談情報係長福島貞及び労働相談情報係主任宇都宮昌城立会いの下,平成7年10月以降の時間外割増賃金(残業代)及び深夜割増賃金(残業代)に関する時効について本件協定し,「協定書」(〈証拠略〉)を作成した。右協定書には,「1会社は,組合から1997年10月28日付け通知書で請求があった1995年10月分以降の時間外割増賃金(残業代)及び深夜割増賃金(残業代)(以下「本件割増賃金(残業代)」という。)について,労働基準法第115条による時効の主張を行わない。2 会社と組合は,本件割増賃金(残業代)問題の解決のために,誠意をもって充分に協議を尽くすものとする。」と記載されている。
 その後も被告と東部労組エスエイロジテム支部とは時間外割増賃金(残業代)の問題について,本件訴訟提起まで協議を継続してきたが,両者の見解は平行線をたどり,対立が解消されないまま,本件訴訟提起に至った。


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【2011/03/10 22:49 】 | 残業代請求
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